風任せ弾丸トラベラー

月イチ弾丸トラベル SFC解脱後の楽しみ方

ANAマイルで佐賀 弾丸有田焼物旅2日目

朝食をあわただしく済ませ、喜内瀬のバス停から8時1分発の伊万里駅行きバスに乗車。30分ほどで伊万里へ。松浦鉄道に乗り換え、有田まで25分。ローカルバスは本数が少ないのでちゃんと来るのか、乗れるのかいつも緊張する。


まだ、小雨がぱらついており、見どころも点在していたので、有田駅からタクシーで李参平の墓、泉山磁石場をまわる。2000円かかったが歩かなくてよかった。もっとも、上有田駅で下りたほうがずっと近かった。

李参平の墓には花が供えられていた。現在、韓国や北朝鮮とはゴタゴタしているが、日本の伝統文化は、お隣の中国や朝鮮半島の文化から多大なる恩恵を受けている。愚かな政治家たちはいずれ表舞台から姿を消す。友好には常に感謝や尊敬の念を忘れてはいけない。


泉山磁石場は、この土がなければ有田焼の隆盛はなかったという採石場跡。焼き物店が並ぶ上有田の街の終りに突然姿を現す。


日曜の有田は観光客がほとんどおらず、店も半分以上閉まっていた。車の通りが多く、街道沿いの段差すらない歩道は落ち着いて歩けない。お目当ての今右衛門の店は残念ながら閉まっていた。


裏道に一歩入れば、トンパイ塀や煙突の街並み。中心には異人館や、深川製磁、香蘭社など見どころもある。値が張る品が並んでいるのにカード未対応の店が少なくないのも残念。小規模事業者には街が補助を出してでも、カード決済の導入を促進すべきだ。
赤絵町という町名が残り、中世には欧州の王侯貴族を魅了した磁器の街。工夫次第で、もっと活かせる、世界に誇れる観光資源だと思う。


閉まっている店の外から、見たことのない発色のマグカップに目を奪われていると、ちょうど、店主が帰ってきて、開けてくれた。鷹巣瑞光堂。このマグカップはエアブラシで描くそうで、ふつうに絵を描くより手間がかかるそうだ。1客6800円とお高い。


今回、もっとも気に入ったのが肥前赤絵窯元鷹巣さん。伝統的な繊細な絵付けに、ちょっとした遊び心が粋な作品が並ぶ。チーズケースに使うため松竹梅の蓋物9800円、蟹が青磁の波に遊ぶ長皿3200円、全く作風の異なる野性味あふれる一輪ざし5800円は息子さんの手によるものだそうだ。
ご主人の鷹巣佳之さんは、店先で下絵を描いていて、得意とする図柄は桃。戸栗美術館にも作品が収蔵されたと話していた。探すのが趣味で「ハンター」を自称する四つ葉のクローバーをいただいた。


県立九州陶磁文化館に寄りたかったのだが、駅まで歩いて戻ったら脚が棒に。丘の上にある文化館は泣く泣く断念した。有田駅前には飲食店がほとんどなかったが、ボリュームたっぷりの佐世保唐揚げカレーで満腹。


佐賀市へ戻り、催行中のひな祭りバスで佐賀城本丸歴史館へ。なんと無料。ありがたいが、有料にしてでも、展示や企画を工夫する予算を確保したほうがよいのではと感じた。


フライトまで、まだ時間があったので、道路を渡って向かいの県立博物館へ。こちらも無料。まぁ、相応の内容。1階にあるカフェTresで読書。地元のおしゃれな雰囲気の若者が多かった。


佐賀駅前で夕飯を食べたくて駅周辺を歩いたが、「佐賀に来たからには食べて帰らねば」と思わせる店が見つからなかったので、2:50というコッペパンの店でアンバターコッペ。部活帰りの高校生らと列に並んだ。おいしかったので、もうひとつ買えばよかった。


薩長土肥の中で、もっとも存在感の薄い肥前。毛利敏彦「幕末維新と佐賀藩」によれば、司法制度の根幹を築き、あふれんばかりの才能を持った江藤新平に対して、大久保利通が嫉妬を抱き、実際には存在しなかった「佐賀の乱」をでっち上げて抹殺に至ったという。為政者の派閥争いによって、先見の明があった藩主鍋島直正と江藤の活躍が矮小化されて、歴史上、地味な存在にとどまったのもうなずける。


しかし、最後に見た佐賀空港の文字はやけに派手だった。


帰宅して、旅の戦利品を並べてみた。食器棚に収まらない。どうしよう