風任せ弾丸トラベラー

月イチ弾丸トラベル SFC解脱後の楽しみ方

熊本2日目 国際民藝館、工藝きくち 1119

熊本2日目11月19日
早く寝たので6時に起床
日の出を狙って7階の展望風呂へ
朝霧が稜線をあいまいにして、日の出を遮る

霧が深くて五岳がくっきりと見えない


入浴後に再度撮影しようと思ったが、すでに霧の中に消えた


このあたりは秋になると天気が良い日は毎朝深い霧につつまれるという
幻想的な風景


8時20分 ホテルのシャトルで阿蘇駅へ


8時42分 阿蘇発
立野駅手前、急勾配のためスイッチバックするとの案内
運転士が1両目から2両目に移動して逆向きで進む
立野駅で5分停車し、運転士が再び1両目に移動
乗ってから知ったが、熊本地震で、ようやく復旧した路線らしい
ネットで検索すると鉄道マニアの間では有名なスイッチバックの路線のようだ


9時31分 肥後大津駅に到着、線路を渡って別のホームで乗り換え
いったん熊本駅へ向かうつもりだったが、
三里木でバスに乗り換えたほうが早く着くので三里木で途中下車する
降車したバス停は、名前通り三の宮の真ん前
この右手にある駐車場奥、木立の向こうに熊本国際民藝館があった


先客はなさそう。荷物を下ろしたいと思い受付の方にお願いすると快く預かってくださった。館長さんですかと尋ねると、「館長は間もなく来ます」と言われてしまった。


入り口を入るとミュージアムショップ




館内は世界の民藝が織物、陶器、ガラスなどに分けてたくさん展示されていた
椅子が多いのが目を引く
奥には和室も


創設者の外村吉之助は、倉敷の民藝館を設立したことでも知られる。
大原孫三郎というパトロンがいる倉敷と違い、熊本では私財を投じ収集品を提供し、多くの人の助けで1965年に国際民藝館が誕生した。
半世紀がたち、市の中心部からやや不便なため、来館者は多くなさそうでとても残念だ。
もっと大勢の人に見てもらいたい内容。わざわざ、東京から足を運ぶ価値がある。


20分ほど見学していると、先ほどの受付の方が、「館長です」とわざわざ連れてきてくださった。たんなる観光客なので、恐縮したが、せっかくなので、お話を伺う。
元々は、京都で織物の編集をしていたが、県の伝統工芸館に転職されて学芸員を務めていたそう。これから、県伝統工芸館や工藝きくちを訪れる予定だと説明した。


外村を紹介するビデオが流れていて、民藝の器を使った食事風景に目がとまった


私が敬愛する芹沢銈介と写った写真が展示されていた


2階もあるので、結局、1時間以上じっくり展示品と向き合った。
荷物を受け取って帰ろうとすると、なんと伝統工芸館まで車で送ってくれるとの申し出。
お言葉に甘え、館長の運転で工芸館へ。途中、遠回りして工藝きくちの場所を教えてくれたり、熊本城の復興について説明してくれたりと、ご親切にただただ感謝。


立派な工藝館の一階は、県内の民芸がずらり。


地下では福岡から来たという一閑張の展示が開かれていた。


二階では「民藝ここちよい暮らし展」。国際民藝館や工藝きくちも出品協力している。
この展示会は残念ながら撮影禁止。
常設展は撮影できたのでおばけの金太をパシャリ



1時間ほど見学して外に出ると、目の前に熊本城


崩れた石垣はナンバリングされ、整理して積みなおす。気が遠くなるような作業だ。


市電に乗って、熊本駅前のホテルルートインへ


14時半でチェックインに30分早かったので荷物だけ預ける。
カメラのSDカードがいっぱいになったので、駅前のビックカメラへ


午後3時、遅めのランチは駅ビルにある牛深丸で天草・牛深産の魚をいただく


バスに乗り、工藝きくちへ
住宅街に蔵風の店が可愛い。ちょうど若いカップルが店を出てきたが、ほかに客はなし
古い壺屋や小代ふもとなど食器が充実、たくさんのかごが壁にかかり、掘り出し物を見つけたくなる店内。ご主人にいろいろ説明を受けながら獲物を物色する



ご主人が奥の部屋で、奥様が入れたコーヒーをご馳走してくださった。昭和30年代、盛岡に近い山で飯場暮らしをしたといい。木の皮をトイレットペーパー代わりにしたり、夜の暇つぶしに竹かごを編んだりした話は、とても興味深かった。私もその30年後、20代の3年間を奥羽山脈をはさんで向かい側、横手で過ごした身なので、情景が目に浮かんだ。ほかにも、中国で汚職取り締まりの厳格化で二重底の壺が売れなくなり、陶器産業が苦境にあえいでいることや、貴州省への仕入れの話、開店当初の品ぞろえが悪く、外村吉之助に「工藝の看板を外せ」と𠮟られて、本当に看板を外して3年半「ギャラリーきくち」を名乗っていたことなど楽しくて貴重なお話をたくさん伺った。


店舗脇の階段にあったカゴや、2階の品も見せていただいた。しめ飾りは自分で農家を探して作ってもらい、銀座のたくみにもおさめているという。
森林アドバイザーでもあり、80代の今でも、ほだ木切りや山仕事をしているとのこと
いつまでもお元気で活躍していただきたい。


小代焼とデルフトタイル、台湾のハサミだけ購入しようと思ったが、
送ってくれるというので、かさばる貴州省のいすと山鹿温泉で編んでいるカゴも購入した。
写真は最終日の戦利品一覧でアップ


夕方の渋滞のためか、帰りのバスが40分待ってようやくくる。


東京でも食べられるけれど、疲れたので、駅ビルで桂花ラーメン


シングルからツインにアップしてくれた。窓の外には川が流れ、広くてとても快適。
素敵な出会いがあり、人のあたたかさに、すっかり熊本ファンになった一日でした
23時20分就寝